「オーケストラの後ろにある座席って、何のため?」「あそこに座ってもいいの?」 そんなふうに気になったこと、ありませんか?
コンサートホールによっては、オーケストラの背後に設けられた「P席」と呼ばれる座席があります。
この記事では、P席の場所やメリット、注意点、チケット料金、合唱団との関係、そして海外の事例まで、P席にまつわる情報をわかりやすく解説します。

P席は新たな視点で楽しめる席だよ!
P席とは?
座席には「S席」「A席」「B席」など、見やすさや音響の違いによっていろいろな座席区分があります。
「P席」もそのひとつで、オーケストラの背後、つまり指揮者や演奏者の正面とは反対側に設けられた席なんです。
ただし、ホールによってはP席がそもそも無かったり、演奏会によって販売されないこともあります。
💺 「P」の意味は?
「P席」の「P」は Podium(指揮台) または Performer(演奏者) に由来するといわれています。
この呼び方は日本独特のもので、海外では通じないためご注意を。
💺 P席の位置
多くのホールでは、P席はパイプオルガンのあるステージ後方にあります。
ちょうど野球で言えばバックネット裏のような位置からステージを楽しめます。

オーケストラを背後から見る位置だね!
P席ってどう?知っておきたいポイント
💺 P席のメリット
- 指揮者の表情が見える
正面の客席からは見ることのできない、指揮者の顔がよく見えます!
指揮者の細かな表情や、指揮棒の動き、演奏を導くしぐさを見ることができます。 - 奏者の動きが間近に見える
舞台に最も近く、特に最後列の打楽器奏者の動きがよくわかります。
時には管楽器のブレス音が聞こえることも。 - 奏者に近い音を楽しめる
奏者の一員として舞台にいるような感覚を味わえます。
残響がホールに響き渡るのを感じることができるでしょう。

指揮者の目線ひとつで演奏って変わるんだよ!
💺 P席の注意点
- 音量のバランスが特殊
弦楽器より金管や打楽器が強く聞こえることがあります。 - 音の飛ぶ方向とは逆
正面から聴く演奏とは違い、小さな音が聴き取りづらいことも。 - 後ろ姿しか見えないことも
管楽器、打楽器は後ろ姿を眺める形になります。
お友達の演奏会だと少しつまらないかもしれません。
💺 P席のチケット料金は?
P席は、視界や音響面の条件から、一般的には他の席よりもお得な価格に設定されていることが多いです。
とはいえ、指揮者の動きやステージの迫力を間近で感じたい人にとっては、むしろ魅力的な席。
あえてP席を選ぶリピーターも少なくありません。

公演によって違うので、確認してね!
合唱団の座席として使われることも
合唱付きの大編成作品では、P席が合唱団の立ち位置として使われることもあります。
ステージ上にひな壇を設ける場合もありますが、スペースの都合でP席をそのまま使うケースもよく見られます。

ベートーヴェンの《第九》とかマーラーの《復活》とか!
海外のホールとP席【動画で見てみよう!】
「P席」という呼び方は日本独自のものですが、海外の有名ホールでも舞台背後の客席があるところはあります。
- ベルリン・フィルハーモニー(ドイツ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地で、ヴィンヤード(ぶどう畑)型の客席配置です。
0:30あたりで舞台後方に客席が映っています。
(Berliner Philharmoniker公式YouTubeチャンネルより引用)
- ウィーン・ムジークフェライン《黄金のホール・楽友協会》(オーストリア)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地で、舞台後方横に小さな客席スペースがあり、特別なイベント時に開放されることがあります。
1:00あたりから映ります。
(Vienna Philharmonic公式YouTubeチャンネルより引用)
- コンセルトヘボウ(オランダ)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地で、舞台背後のエリアが客席として使用されることがあります。
4:15あたりで奏者との距離感が映ります。
(Concertgebouworkest公式YouTubeより引用)

奏者との距離感が近すぎて、緊張しちゃう!
まとめ|P席で“ちょっと違った角度”から楽しもう
P席は、普段とは違う視点でオーケストラを楽しめる特別なエリア。
指揮者の繊細な動きや、演奏者の呼吸、音が生まれる瞬間を間近に感じられるのが、最大の魅力です。
音響や視界にちょっとクセはあるものの、チケット料金はお手ごろなことが多く、音楽好きにはおすすめです。
「次のコンサートはP席にしてみようかな?」と思った方、ぜひ一度体験してみてくださいね!

お客様の拍手を浴びる感覚も面白いよ!