オーケストラの演奏会では、演奏が終わると客席から盛大な拍手が送られますよね。
実はその瞬間、舞台上の演奏者たちも、ある“独特な方法”で仲間をたたえ合っているのを知っていますか?
奏者は、楽器で両手がふさがっていて普通の拍手ができないことも多いです。
でも――仲間の頑張りを称えたい気持ちは同じ。
そこで登場するのが、オーケストラならではの「賞賛アクション」です。
この記事では、演奏者が舞台上で見せる賞賛アクションを、具体例とともにご紹介します!
弦楽器奏者の「拍手できない事情」
管楽器の場合、小型なら膝に乗せたり、楽器スタンドに預ければ拍手ができます。
一方、弦楽器は、本体と弓の2つを持っているため、簡単には手を離せません。
しかも木製で繊細な楽器を、うっかり落としてしまったら大惨事。
だからこそ、手を使わずに賞賛の気持ちを表現する、工夫が生まれたのです。
オーケストラ演奏者の「拍手の代わり」アクション8選!
ここからは、実際によく見られる賞賛のアクションを紹介します。
1. 楽器を抱えたまま普通に拍手
楽器をわきに抱えて、弓を膝や譜面台に置くことで、普通の拍手ができる場合もあります。
2. 弓を空中で振る
弓をひらひらと振って「すごかったよ!」という気持ちを送ります。
弦楽器奏者ではかなりポピュラーな方法です。

音は出るけど….おすすめはできないなぁ
3. 片手で拍手(楽器を片手で支える)
片手で楽器をしっかり支えながら、空いた方の手でその手の甲を叩いて拍手を送ります。
振動が楽器に伝わらないように、控えめに。
「音を出す」ことより、「賞賛の気持ちを示す」ことが大切です。

個人的によく使う方法だよ!
4. 自分の体をポンポン叩く
楽器を片手で持って、空いた手で太ももや膝を軽く叩いて賞賛の気持ちを表します。
5. 足踏み
足でステージ床を踏み鳴らして拍手の代わりにします。
つま先だけを使う人もいれば、足全体を使う人も。
6. 指や手のひらで譜面台を軽く叩く
合奏中でも「みんな静かにして!」という合図として使うことがあります。

硬い金属音がするので、悪目立ちしないようね
7. 楽器を“トントン”と軽く叩く
楽器の裏板や表板を、指の関節や腹で軽くノックするように叩きます。

落としたりぶつけたりしないでね!
8. 弓で譜面をトントンと叩く

弓を傷つける可能性があるから、個人的にはNG行為!!
プロオーケストラの実例:ベルリンフィルの賞賛アクション
世界最高峰のプロオーケストラ、ベルリンフィルハーモニーでも、こうした賞賛アクションがみられます。
注目シーン:指揮者とソリストの登場
10:14~HIMARIさんと指揮者が登場すると、団員が賞賛アクションを送っています。
・弦楽器:「2. 空中で弓を振る」
・木管楽器:「4. 片手で拍手(楽器を片手で支える)」
・金管楽器:「5. 自分の体をポンポン叩く」

HIMARIさんへの期待とリスペクトが伝わってくるね!
身内に拍手するっておかしい?
「同じ団員に拍手するなんて変じゃない?」と思う方もいるかもしれません。
でも、これは演奏中にソロを任された仲間や、コンマス、指揮者、ゲスト奏者などへの感謝とリスペクトを伝える行為。
プロ・アマ問わず、世界中のオーケストラで見られる大切な文化です。
拍手や賞賛アクションの大きさに、“どれくらい感動したか”という気持ちがこもっているのも、演奏者ならではの心遣いですね。

「練習大変そうだったもんなー、ソロ上手くいって良かった!」👏
賞賛アクションの注意点:楽器の安全第一で!
これらのリアクションをするときに、いちばん気をつけたいのは「楽器を傷つけないこと」。
無理に拍手しようとして楽器を落としてしまっては、本末転倒です。
また、足踏みなどの大きな動作は、場面によってはマナー違反ととられることもあるので注意しましょう。

笑顔で視線を送るだけでも、気持ちは伝わるよ!
まとめ
オーケストラのステージでは、奏者たちが楽器を持ったまま、さまざまな方法で仲間の演奏を讃え合っています。
拍手ができない中でも、気持ちを伝える工夫がたくさん。
次に演奏会へ行くときは、ぜひステージ上の細かなリアクションにも注目してみてください。
音だけではない「心の拍手」が見えてくるはずです。