オーケストラの演奏会では、演奏が終わると客席から大きな拍手が贈られます。
そのとき、実はステージ上の演奏者たちも、オーケストラならではのユニークなアクションで、互いの素晴らしい演奏をたたえ合っているのです。
今回は、舞台上で仲間を讃える、演奏者ならではの賞賛アクションを紹介します。
- 通常の拍手
- 楽器を叩く
- 足踏み
- 弓振り
- 弓で叩く
- 体を叩く
- 譜面台を叩く
- 指板と弦をぶつける
手を離せない!弦楽器演奏者たちの拍手事情
フルートなど小型の管楽器は膝に乗せ、金管楽器はスタンドに立てることで手が空き、拍手ができます。
一方で、ヴァイオリンなどの弦楽器奏者は、楽器本体と弓という2つのアイテムを持たなければならず、楽器から手を離すことができません。
木製の楽器を万が一床に落としてしまったら?――想像するのも恐ろしいですよね。
ユニークな賞賛スタイルいろいろ
ここからは、実際によく見られる賞賛のアクションを紹介します。
1. 通常の拍手
楽器をわきに抱え、弓を膝や譜面台に置いてから、普通に手で拍手します。
立っている時は弓を指に引っ掛け下げるようにすれば、普通の拍手ができます。
2. 楽器を叩く
ヴァイオリンやチェロなどの裏板のエッジ付近を、指の関節で軽くノックしたり、表板を指の腹でやさしく叩いたりします。

音は出るけど楽器が心配、おすすめはしないなぁ
3. 足踏み
足でステージの床を踏み鳴らして賞賛の気持ちを表します。
つま先だけを使ってリズムよく鳴らしたり、足全体を使ったりと、奏者によってスタイルはさまざまです。
4. 弓振り
弓を空中で軽く振って称賛を表します。
弦楽器奏者の賞賛方法としては、拍手の次によく見られます。

落としたりぶつけたりしないでね!
5. 弓で叩く
弓の先端(先弓あたり)で、譜面台や譜面を軽く叩きます。

弓を傷つける可能性があるから、おすすめはしにくいな
6. 体を叩く
弓を左手に持ち替え、開いた右手で太ももや膝などを軽く叩きます。
7. 譜面台を叩く
指や手のひらで譜面台をコンコンと叩きます。
合奏中に「これから発言するよ」という合図として叩くこともあります。
8. 指板と弦をぶつける
左手で弦を押さえながら(=ミュートしながら)、弦をはじく。

ちょっと音が激しいね。「大喝采」のときならいいのかな…
身内に拍手っておかしい?
奏者同士で賞賛をしあうのは、少し違和感を感じるかもしれません。
拍手や賞賛アクションは、指揮者やソリスト、コンマス、曲中でソロを演奏した団員に対して、「あなたは素晴らしかった」という気持ちを表すものです。
手前みそにも思いますが、国内外、またプロアマ問わず、演奏会では一般的に見られる光景です。
拍手や賞賛アクションは、時にの音の大きさや動きの大きさで、評価の程度を表現することもあります。

「練習大変そうだったもんなー、ソロ上手くいって良かった!」👏
注意したいこと
拍手を含めたこれらの賞賛アクションは、無理のない範囲でおこないましょう。
楽器や弓を傷つけたり、楽器を落とすアクシデントが起こるリスクがあるからです。
また足踏みなどは、時に品格を下げるように見えてしまうことも考えられます。

笑顔で視線を送るだけでも十分!
まとめ
オーケストラの団員は、拍手以外に弓や楽器、足を使って賞賛の気持ちを表すことがあります。
しかしこれらは、楽器の安全性に少なからずリスクとなる行為でもあるので注意してください。
賞賛の気持ちは、笑顔や目線を送るだけでもしっかりと伝わります。

楽器の安全第一!くれぐれも無理のない範囲で!