オーケストラと服

オーケストラの服装 衣装・服装

「オーケストラの人って、なんか上品でお金持ちそう」
そんなイメージ、ありませんか?

確かに、演奏会などで団員を見かけると、ジャケットやワンピース、落ち着いた色味の服装が多く、「きれいめ」な印象を受けるかもしれません。

親が芸術家、お嬢様学校卒、医者の一家の団員も中にはいますが、多くは「ごく普通の人」です。

くまリン
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じゃあ、なぜきれいめな服装が多いのか?

深堀りしてみると、そこにはちゃんと理由がありました。


「オーケストラ」「クラシック音楽」と聞いて、どんなイメージが浮かぶのか?ある検索結果では、「富裕層」「高尚」「敷居が高い」といったキーワードが多く見られました。
でも実際は、「たまたま楽器の演奏が好きで、クラシック音楽にたどり着き、オーケストラを始めた」——そんな人が多いです。

くまリン
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打ち上げとか飲みは会は、かなり体育会系!

オーケストラの団員、特に弦楽器奏者には、快適な演奏のために実用的な服装の制約があります。
演奏のしやすさ、楽器の取り扱い、周囲への配慮などの観点から服装を選んでいるのです。

制約ポイント

  • (高額な)楽器、楽譜や譜面台などを安全に持ち運ぶため、歩きやす安定感のある靴を選びます。
    演奏会以外で、ヒールの高い靴を履く人は少数派です。
  • トップス
    ヴァイオリンを乗せる左肩や首周り、腕周辺にボリュームや装飾がないものを選びます。
  • ボトムス
    オケの練習会場は、人や物(譜面台、椅子)が多いため、裾裁きが良く動きやすいものを選びます。
    椅子に座るため、あまりに短いボトムスは避けるようにします。
  • ヘアスタイル
    左側に髪がかからないスタイルが理想的です。
    トップにボリュームがありすぎるスタイルや帽子着用は、後方プルトの視界を遮るのでNG。
  • アクセサリー
    演奏中に音が出たり、動いたり、楽器に当たる可能性があるものは基本的に外します。
    結婚指輪は、つけたまま派(ネックに当たる)と外す派。右指に付け替える派に分かれます。
  • ネイル
    演奏に干渉しない長さに切りそろえます。
    指先の感覚が大切なのため生爪の人が大多数で、弦楽器奏者でネイルをしている人は150人に1人くらいのレア度です。
くまリン
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ネイル塗ると指が重いというか、つっぱるというか…

アマチュアオーケストラの団員には、男女問わず「きれいめ」な服装の人が多い印象があります。
ここで言う「きれいめ」とは、露出が少なく、過度な装飾やダメージ加工、ビッグシルエット、攻撃的なメッセージが書かれた服などを避けた、落ち着いたスタイルのことです。

クラシック音楽はもともと、貴族宮廷のための音楽として発展してきました。
演奏会で演奏者が正装するのも、この歴史的な背景と格式を保つ意識の表れです。
そのためか、日常の練習時の服装にも、どこか「きちんと感」や「品の良さ」が求められているように感じます。
この感覚は、おそらく無意識のうちに多くの団員に共有されているのではないでしょうか。

オーケストラは、個々の表現よりも「全体で一つの音楽を作り上げる」ことが大切にされる世界です。
そのため、服装にも自然と協調性や統一感がにじみ出るのかもしれません。
強い個性を主張する服装よりも、周囲と調和しやすいスタイルが選ばれがちです。

オーケストラ活動には、楽器本体や弓、弦にかかる費用だけでなく、演奏会の会場費、指揮者の謝礼やレッスン代など、多くの出費があります。
そのため、比較的経済的に余裕のある層――たとえば中高年、士業、あるいは大企業勤めの人たちが団員として多く見られる傾向があります。
そうした背景も、きれいめな服装の一因かもしれません。

くまリン
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会社員でも1千万の楽器を持っている人がいるよ!


アマチュアオーケストラと服装について、私自身の視点から考察してみました。
もちろん、オケごとに雰囲気は違いますし、「こういう服装でなければならない」という決まりもありません。
どんな服装であっても、演奏に支障がなく、周囲に配慮できていれば、何の問題もありません。

くまリン
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楽器にお金がかかるから、服はファストファッション派

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