オーケストラで気になる「うるさい譜めくり音」対策|音の原因と静かにめくるコツとは?

静かな譜めくりの方法 演奏・練習

演奏中、咳や足音と同じくらい気になるのが、譜めくりの音
特に静かな場面では、「バサッ」という音が想像以上に響きます。

この記事では、譜めくり音が「うるさく」感じる理由と、その対策をオーケストラ歴25年の視点から解説します。

くまリン
くまリン

譜めくり音に気づく人は、音楽を大事にできている人!


譜めくりの回数は、使っている楽譜やパートによって意外と違います。
近代の曲になるほど演奏時間が長く、譜めくりの回数も多くなる傾向があります。

たとえば、こんな感じ:

弦楽器は、ひとつのパートに4~10人近くいることが多いですよね。
編成が大きくなると、それだけ音も大きくなります。

譜めくりの人数が多い + 回数が多いというのは、静かな曲中だと特に目立ちやすいので注意したいポイントです。
弦楽器は1パートの人数(同じ楽譜を使う人数)が多いため、編成が大きくなるほど音も大きくなります。
人数も譜めくり回数も多く、客席にも近い弦楽器は、特に注意しましょう。

複数人が同じタイミングで一斉に譜めくりすると、思った以上に大きな音になってしまうことがあります。
しかも、曲が静かな場面でそのタイミングが来てしまうと、かなり目立つことに。

くまリン
くまリン

客席まで聞こえてくることもあるよ

  • 紙がめくれる音
  • 服が擦れる音
  • 腕の関節が鳴る音
  • 持ち替えた楽器をぶつける音
  • 「よいしょ」など無意識の声
  • 椅子がきしむ音
  • 筆記用具を落とす音
  • 楽譜を落とす音
  • 譜面台を倒す音
くまリン
くまリン

譜めくりは事故が起こりやすいタイミング

譜めくりの音には、「楽譜側の原因」と「奏者側の原因」があります。
それぞれ、チェックしてみましょう。

  • 製本で紙が重なり厚くなっている
  • ノリ付けで紙が硬くなっている
  • ノリやテープでページがくっついてしまっている
  • 雑な製本でめくりにくくなっている
  • めくる勢いが良すぎる
  • タイミングを合わせすぎる
  • 関節が固まっている
  • 譜面台上に筆記用具を置く
  • 譜面台に多くの楽譜を乗せすぎる
  • 譜面台に袖や足を引っ掛ける 
  • 譜面台や椅子の調整が悪い
  • 楽器を持ち替える(左手に弓を持ち替える等)
くまリン
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持ち替える時に弓をぶつけちゃいがち

では、どうしたら静かに譜めくりできるのでしょうか?
以下のポイントをぜひ試してみてください。

  • 製本方法を見直す→「製本方法(図解)」で詳しく!
  • ゆっくりとめくる(前後の体の動きもゆっくり)
  • 楽譜の下の角をつまむ
  • 紙をつまんだ指を真横に引かず、少し持ち上げるようにめくる
  • 他のプルトとタイミングをずらす
  • 曲の音量が大きい所でめくる
  • 譜面を切り貼りして譜めくり位置を調整する
  • ドッグイヤーを付けておく
  • 邪魔なものを譜面台に置かない
  • 表の人がめくる(指示があった場合のみ)
  • 椅子や譜面台のがたつきを調整しておく 

音は、いくつもの小さな要因が重なって出てしまうことが多いので、ひとつずつ工夫して取り除いていきましょう。

また、譜めくりの瞬間は奏者が一時的に減るため、パート全体の音量バランスにも気を配れると、さらに良くなります。

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