譜めくりの音に気をつかえていますか?
演奏中は咳ひとつ、足音ひとつにも注意を払い、曲を邪魔しないようにします。
オーボエが美しいソロを吹いている時、静かな2楽章を弾いている時、周りの人の譜めくりを「うるさい」と感じることがありますよね。

くまリン
譜めくり音に気づく人は、音楽を大事にできている人!
長年のオケ経験から、譜めくり音の正体と原因をまとめました。ぜひオケ仲間と共有してみてください。
うるさい譜めくり音を回避し、曲の流れや仲間の演奏をもっと大切にすることができます。
キーワード
- 楽譜からの音➢紙
- 奏者からの音➢体の動き、タイミング、声、備品の調整具合
譜めくり
回数
譜めくり回数は、楽器や楽譜の版によって異なります。
音楽史上、近代ほど演奏時間が長く、譜めくり回数が増える傾向にあります。
譜めくり回数の一例 | 1st ヴァイオリン | フルート 1 | トランペット 1 |
---|---|---|---|
ベートーヴェン: 交響曲第5番 | 6 回 | 3 回 | 2 回 |
シューマン: 交響曲第4番 | 5 回 | 4 回 | 2 回 |
マーラー: 交響曲第9番 | 12 回 | 7 回 | 3 回 |
人数
弦楽器は1パートの人数(同じ楽譜を使う人数)が多いため、編成が大きくなるほど音も大きくなります。
人数も譜めくり回数も多く、客席にも近い弦楽器は、特に注意しましょう。
タイミング
同じタイミングでめくると音が大きくなります。
曲調が静かな時に、譜めくりのタイミングが来てしまうことがあります。

くまリン
演奏中は余計な音を立てないよう心がけよう
譜めくり音の正体
- 紙がめくれる音
- 服が擦れる音
- 腕の関節が鳴る音
- 持ち替えた楽器をぶつける音
- 「よいしょ」など無意識の声
- 椅子がきしむ音
- 筆記用具を落とす音
- 楽譜を落とす音
- 譜面台が倒れる音

くまリン
譜めくりは事故が起こりやすいタイミング
譜めくり音の原因
楽譜側の原因
- 製本で紙が重なり厚くなっている
- ノリ付けで紙が硬くなっている
- ノリやテープでページがくっついてしまっている
- 雑な製本でめくりにくくなっている
奏者側の原因
- めくる勢いが良すぎる
- タイミングを合わせすぎる
- 関節が固まっている
- 譜面台上に筆記用具を置く
- 譜面台に多くの楽譜を乗せすぎる
- 譜面台に袖や足を引っ掛ける
- 譜面台や椅子の調整が悪い
- 楽器を持ち替える(左手に弓を持ち替える等)

くまリン
持ち替える時に弓をぶつけちゃいがち
静かな踏めくり方法
- 製本方法を見直す→「製本方法(図解)」で詳しく!
- ゆっくりとめくる(前後の体の動きもゆっくり)
- 紙をつまんだ指を真横に引かず、少し持ち上げるようにめくる
- 他のプルトとタイミングをずらす
- 曲の音量が大きい所でめくる
- 譜面を切り貼りして譜めくり位置を調整する
- ドッグイヤーを付けておく
- 邪魔なものを譜面台に置かない
- 表の人がめくる(指示があった場合のみ)
- 椅子や譜面台のがたつきを調整しておく
さいごに
- 曲調に合わせた譜めくりで「曲を邪魔しない」ことが最重要です。
- 譜めくり音は複合的に発生するため、原因をひとつずつ取り除きましょう。
- 譜めくりの瞬間は奏者が減るため、パート全体の音量バランスにも気を配ってください。