ヴァイオリンの音色は、楽器の良し悪しだけでなく「弦の状態」にも大きく左右されます。
でも、具体的な交換時期がわからない……という方も多いのではないでしょうか。
弦の寿命は、環境や演奏頻度、素材によって大きく変わるため、個人で最終判断する必要があります。
この記事では、判断の目安になるように、ガット弦・スチール弦・ナイロン弦について、それぞれの一般的な交換時期を解説します。

あくまで目安ととらえてね!
弦の劣化スピードに影響する要素とは
弦の寿命は一律ではありません。
以下のような要素によって、劣化スピードが変わってきます。
- 練習量
- 温度・湿度
- 弦の素材
- 弦の太さ(テンションの強さ)
- 求める音の質
弦の交換時期を見極めるサイン
「なんとなく音が変だな?」と思った頃には、弦の劣化は進んでしまっているのかも。

こんな症状出ていませんか?
- 音がこもる、響きが鈍くなる
- チューニングがすぐズレる
- 弦表面にほつれ・汚れ・毛羽立ちがある
- 弓の引っかかりの感覚が変わった(弓の毛が原因の場合も)
- 指にざらつきを感じたり、滑りが悪い
- 松脂が弦にたまってきた
ヴァイオリン弦の交換タイミング【シーン別】
①: 弦が切れた時
切れたら当然交換ですが、同時期に張った他の弦も劣化している可能性もあります。
4本まとめて張り替えると、音の響きが揃いやすくおすすめ。
ただチューニングは狂いやすいので、1本ずつ徐々になじませるのも、もちろん◎。
4本を一度に外すと「駒」や「魂柱」が倒れる危険があるので、交換作業は1本ずつ丁寧におこないましょう。

慣れないうちは楽器屋さんや先生に見てもらおう!
②: 毛替えや楽器調整のタイミング
弓の毛の張り替えや、楽器のメンテナンス時に、弦も一緒に交換してもらうと効率的です。
プロに張ってもらう安心感も◎。

楽器の個性や好みに合った弦を相談してみよう!
③: 演奏会や発表会の前
大事な本番に向けて、弦の音色もベストな状態にしたいもの。
弦によっては安定するまで数日〜数週間かかるので、逆算して準備しましょう。

弦を馴染ませる時間がいるんだね
④: 一定の時期で定期交換
「春と秋に年2回」など、タイミングを決めておくと交換忘れ防止に。
音色の変化に気づきにくい人にもおすすめです。
素材別・ヴァイオリン弦の寿命【目安】
ヴァイオリンの弦は、素材によって寿命や音色の変化に大きな違いがあります。
また、4本ある弦の中でも、太さやテンションに違いがあるため、何線かによっても寿命に差があります。
ここでは、よく使われる3種類の弦について「交換の目安」や「特徴」を詳しく比較してご紹介します。
🎻 ガット弦
主な製品例:
- Pirastro Olive(オリーブ)
- Pirastro Eudoxa(オイドクサ)
- Pirastro Passione(パッシオーネ)
交換の目安:
- 【頻繁に弾く】2週間〜2ヶ月
- 【趣味で弾く】1〜3ヶ月程度
- 【あまり弾かない】3〜5ヶ月で劣化に気づく場合も
劣化のサイン:
- 音がくすむ
- 鳴りが弱くなる
特徴:
- 天然素材(羊腸)で繊細な音色。柔らかく温かみのある音。
- 湿気や気温変化に非常に敏感
- 張ってから安定するまでに時間がかかる(1週間程度)

何にも代えがたい音色なんだよ~
🎻 スチール弦
主な製品例:
- Pirastro Chromcor(クロムコア)
- Thomastik Spirocore(スピロコア)
交換の目安:
- 【頻繁に弾く】2〜4ヶ月
- 【趣味で弾く】4〜8ヶ月
- 【あまり弾かない】1年持つ場合も
劣化のサイン:
- 響きが鈍る
- 弦が硬く感じる
- 反応が鈍くなる
特徴:
- 丈夫で寿命が長め

「長持ち&安定重視」ならピッタリ!
🎻 ナイロン弦、その他合成素材の弦
主な製品例:
- Pirastro Evah Pirazzi(エヴァ・ピラッツィ)
- Thomastik Dominant(ドミナント)
- Thomastik Dynamo(ダイナモ)
交換の目安:
- 【頻繁に弾く】1〜3ヶ月
- 【趣味で弾く】3〜6ヶ月
- 【あまり弾かない】6ヶ月〜1年程度
劣化のサイン:
- 音の立ち上がりが遅くなる
- 音に艶がなくなる
特徴:
- 寿命が長め
- 比較的気候の変化に強い

ドミナントの安心感がすごい
外した弦の有効活用法!メルカリで売れるかも!
交換したけど「まだ使える」弦、捨てちゃってませんか?
メルカリなどのフリマサイトに出品するのもおすすめです。
Evah Pirazziなどの高価な弦は、「中古でも欲しい」という需要が一定数あります。
- 購入費用を抑えたい人
- 練習用、予備弦として使いたい人
- 馴染んだ弦の音を好む人
- チューニングが安定した弦を求める人
- 使ったことがない弦を試しに弾いてみたい人
出品の際は中古品であることを明記しましょう。
「3か月使用しました」「練習用にはまだ使えます」など、状態を詳しく記載すると◎。
まとめ|弦の劣化を見逃さず、音色をキープしよう!
演奏頻度や環境によって、劣化スピードや交換時期は変わります。
演奏時間に関わらず「音の伸びが悪くなった」「発音がもたつく」などと感じたら、弦の交換を検討しましょう。

年に3回、定期的に替えてるんよ!