アマチュアオーケストラの奏者の中には、定期的にレッスンを受けている方も多いと思います。
皆さんは、レッスンでどんな内容を見てもらっていますか?
例えばオーケストラの練習中に難しいフレーズにぶつかったとき――
・「先生に教わろう!」と、オケの曲を見てもらう
・「もっと基礎力を上げよう!」と、教本に力を入れる
限られたレッスン時間の中で、何に取り組むべきか迷うことはありませんか?
今回は、「教本 vs オーケストラの曲 」どちらをレッスンでみてもらうべきか、あらためて考えます。
レッスンの意義
オーケストラの練習では、どうしても「全体的な進行」が優先されがちです。
個人的なつまずきを解消し、オーケストラをより楽しむためにも、レッスンの意義は大きいです。
① 個々に合わせた指導
レッスンでは自分のレベルや課題に合わせた、きめ細やかな指導が受けられます。
「スピッカートとスタッカートの違いが分からない」「重音の押さえ方に不安がある」など、ピンポイントで相談できるのは大きなメリットです。
② リアルタイムのフィードバック
自分では気づきにくい癖やズレ、間違いを、その場で指摘してもらえます。
自分の演奏に対して客観的な目線が入り、フィードバックによってすぐに修正できることは、上達への近道です。
③ モチベーションの維持
仕事や家庭と両立しながら練習を続けるのは簡単ではありません。
レッスンでの達成感や先生の誉め言葉は、「また頑張ろう」という意欲が湧きてきます。
レッスンの予定があることで、練習の習慣が自然と身につき、継続的な成長にもつながります。
④ 表現力を磨く
日々の練習では、つい「正しく弾くこと」「間違えないこと」に意識が向きがちですが、曲を弾くには「表現力」も不可欠です。
先生(プロ)のアドバイスを受けることで、フレージングや音色の作り方、表情の付け方など、「アーティスティック」な要素も学ぶことができます。

指揮者に「もっと歌って」ってよく言われるよね
教本の価値
教本には 、オーケストラ曲の練習だけでは身につかない大切な要素が詰まっています。

教本の練習は、オケの演奏を内側から支えてくれるよ!
- 演奏の土台を整える
- 苦手を「見える化」する
- 奏法をひとつずつ習得できる
- 「自分のため」だけの練習ができる
教本とオケ曲のバランス
オーケストラの曲は音楽的に魅力があり、弾きがいもありますが、技術面では「応用問題」と言えます。
基礎がしっかりしていないと、なんとなくごまかして弾いてしまったり、形だけで終わってしまうこともあります。
だからこそレッスンでは「オケ曲」と「教本」の両方をうまく組み合わせて、自分なりのバランスを取ることが大切です。
① 初心者は教本を優先
楽器を初めて間もない間は、基礎技術の習得が最優先です。
レッスンは教本中心でしっかりと技術的な土台を作りながら、オケ曲は個人練習で無理のない範囲から挑戦してみましょう。
② 基礎が固まってきたら
ある程度基礎が身についてきたら、オケ曲をレッスンに取り入れてみても良いでしょう。
教本にも時間を割きながら、オケ曲で苦手な奏法やフィンガリングを見てもらうのもおすすめです。
プロの視点からのアドバイスで、曲への理解や表現力、具体的な演奏テクニックがグッと深まります。
③ 最適なバランスは人それぞれ
オーケストラの tutti 弾きと、レッスンでのソロ的な弾き方とでは、求められる技術や感性に違いがあります。
技術的に不安があるときは教本を多めに、オーケストラの中での演奏力を磨きたいときはオケ曲を優先するなど、その時々の自分に合ったバランスを探してみてください。

それぞれが異なる力を伸ばすものでもあり、お互いに補い合う関係!
④ 定期的に見直そう
進捗やスケジュールに応じて、教本とオケ曲のバランスを定期的に見直すことも大切です。
オケ曲でつまずいたら、教本に立ち返るというサイクルも効果的です。

私は教本メインで、オケ曲から苦手な部分をポイントで見てもらうよ
まとめ
レッスンで何を見てもらうかは、それぞれのレベル感や曲の進捗度によって異なります。
たとえば、レッスンの前半は教本で基礎を、後半はオケ曲で実践、といったようにバランスよく進めるのがおすすめです。
特に演奏会が近い時期はオケ曲中心、時間に余裕があるときは教本をじっくり、メリハリをつけると効果的です。

迷ったら、先生と相談して一緒に方向性を決めてみよう