「P席」は日本独特?

P席 マナー・文化

オーケストラの向こう側に見える座席が気になったこと、ありませんか?
「関係者席?」「非常用?」「座ってもいいの?」

ホールには、オーケストラの背後に「P席」という座席があることがあります。

この記事では、P席の場所やメリット注意点チケット料金、そして合唱団との関係海外ホールの事例まで、P席にまつわるさまざまな情報をまとめました。

くまリン
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P席は新たな視点で楽しめる席だよ!


座席には「S席」「A席」「B席」など、見やすさや音響の違いによってさまざまな区分が設けられています。
「P席」も、こうした座席区分のひとつです。

ただし、ホールによってはP席自体の設計が無かったり、演奏会によって開放されなかったりもします。

「P席」の「P」は Podium(指揮台) または Performer(演奏者) に由来するといわれています。
この呼び方は日本独特で、海外では通じないため注意してください。

一般的には、オーケストラの背後=指揮者や奏者の正面とは反対側)に設けられています。
多くのコンサートホールでは、パイプオルガンのある下あたりがP席になります。

くまリン
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野球で言うところのバックネット裏かな?

  • 指揮者の表情が見える
    正面の客席からは見ることのできない、指揮者の顔がよく見えます!
    指揮者の細かな表情や、指揮棒の動き演奏を導くしぐさを見ることができます。
  • 楽器の動きが見える
    舞台最も近く、特に最後列の打楽器奏者の動きがよくわかります。
    時には管楽器のブレス音が聞こえることも。
  • 奏者に近い音を聴ける
    奏者の一員として舞台にいるような感覚を味わえます。
    残響がホールに響き渡るのを感じることができるでしょう。
くまリン
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指揮者の目線ひとつで演奏って変わるんだよ!

  • 音量のバランスが特殊
    弦楽器より金管や打楽器が強く聞こえることがあります。
  • 音の飛ぶ方向とは逆
    奏者が背を向けている(音の飛ぶ方向とは逆)のため、木管楽器の「pp」などが聴き取りづらいことも。
  • 後ろ姿しか見えないことも
    管楽器、打楽器は後ろ姿を眺める形になります。
    お友達の演奏会だと少しつまらないかもしれません。

P席のチケット料金は、一般的には他の座席よりも安く設定されていることが多いです。
視界や音響のバランスが、正面の客席に比べて劣るとされているためです。

ただし、ファンにとっては「指揮者の表情を楽しめる」「オーケストラの熱量が近い」などの魅力があるため、あえてP席を選ぶリピーターも多くいます。

くまリン
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公演によって違うので、確認してね

P席はオーケストラの背後にあるため、合唱団が登場する大編成の曲では、合唱団の立ち位置として使われることがあります。
舞台上に専用のひな壇を組むこともありますが、舞台の広さや構造によっては、P席をそのまま合唱団席として使うケースも多く見られます。

くまリン
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ベートーヴェンの《第九》とかマーラーの《復活》とか!

「P席」という呼び方は日本独特ですが、海外でも似た客席が設けられていることはあります。

  • ベルリン・フィルハーモニー(ドイツ)
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地で、ヴィンヤード(ぶどう畑)型の客席配置です。
    0:30あたりで舞台後方に客席が映っています。

Berliner Philharmoniker公式YouTubeチャンネルより引用)

  • ウィーン・ムジークフェライン《黄金のホール・楽友協会》(オーストリア)
    ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地で、舞台後方横に小さな客席スペースがあり、特別なイベント時に開放されることがあります。
    1:00あたりから映ります。

Vienna Philharmonic公式YouTubeチャンネルより引用)

  • コンセルトヘボウ(オランダ)
    ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地で、舞台背後のエリアが客席として使用されることがあります。
    4:15あたりで奏者との距離感が映ります。

Concertgebouworkest公式YouTubeより引用)


P席は、一般的な観客席とは異なる視点からオーケストラの世界を楽しめる座席です。
指揮者の表情を見たり、楽器の動きを新鮮な角度で観察したり、臨場感に浸ったりと、いつもとは違った音楽体験ができます。

音響バランスにクセや、視覚的な特徴もありますが、それも含めてP席の醍醐味です。
チケット料金も比較的手ごろなことが多いため、ぜひ一度体験してみてください!

くまリン
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お客様の拍手を浴びる感覚も面白いよ!

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