アマチュアオーケストラでは、ティンパニのような大型打楽器を団体で所有しているケースは少なく、レンタルを利用することが一般的です。
今回は、ティンパニをレンタルするメリット・デメリットについて解説します。
貸し出しのある都内のホールや、主なレンタル業者の一例紹介も。
アマオケのティンパニはほぼレンタル
アマチュアオーケストラ(学生オケを除く)が、団でティンパニを所有していることは珍しいです。
多くの団は、合奏の練習でも本番の演奏でも、レンタル楽器を使用します。
楽器レンタル専門業者からの借りるほか、ホールや練習施設の付帯設備を借りることが多い。

ティンパニがある日は練習がいつもより楽しい
ティンパニレンタルのメリット
① 購入費用が不要
レンタルであれば、購入費用を抑えることができます。
ティンパニの一般的な価格帯(1台あたり)
サイズ(直径) | 学生用・エントリーモデル | プロ向け・高品質モデル |
---|---|---|
23インチ | 約25万円〜40万円 | 約70万円〜100万円以上 |
26インチ | 約30万円〜50万円 | 約80万円〜110万円以上 |
29インチ | 約35万円〜55万円 | 約90万円〜120万円以上 |
32インチ | 約40万円〜60万円 | 約100万円〜130万円以上 |
② 保管場所が不要
大型で重量もあり、温湿度管理が求められるティンパニを保管できる場所は限られます。
運搬を考慮してオケの活動区域内で探すとなると、確保するのはさらに大変です。
レンタルであれば、保管場所の確保や使用料に悩むことはありません。
③ 運搬が不要
レンタル楽器は、運搬も専門の業者に依頼できるため、慣れない運搬トラックを団員が運転する必要もありません。

運搬は、毛布で巻いて…水平に置いて…しっかり固定して…と大変なんだ
④ メンテナンスが不要
ヘッド(打面)やペダル、テンションボルトなどの専門的なメンテナンスとその費用が必要ありません。
⑤ 機種の選択肢
レンタルであれば、演奏する曲目や会場に応じて、最適なサイズやメーカーのティンパニを選ぶことができます。
ティンパニレンタルのデメリット
① レンタル費用が必要
レンタル料や運搬費用が発生します。
演奏会費や団費の都合で、レンタルできる回数が少なくならざるを得ないこともあります。
② 練習日程のすり合わせが必要
ティンパニ奏者の練習参加予定と、ティンパニのレンタル可能日、練習する曲目の綿密なすり合わせが必要になります。

ティンパニが搬入できる施設か?なども確認が必要だね
③ レンタルの空き状況の問題
演奏会シーズンなどは予約が集中し、希望する日時にレンタルできないこともあります。
ティンパニがレンタルできる施設(一例)
- クラシックスペース☆100
5,500円 - アカデミー茗荷
600円 - 太田区民ホール・アプリコ
400円 - 新宿文化センター
1,000円 - 江東区青少年交流プラザ
300円 - 江戸川区総合文化センター
520円/午前、250円/2時間 - 練馬文化センター
1,000円、200円/時間 - かめありリリアホール
1,000円

!最新の情報やレンタルの単位は、各HPで確認してください!
ティンパニのレンタル会社(一例)
- プロフェッショナル パーカッション(東京都練馬区)
12,100円~ - ジャパンウィンズ(東京都港区)
6,000円~ - Tokyo Concerts Lab.(東京都新宿区)
17,600円~ - JPC ジャパン・パーカッション・センター(東京都台東区)
11,000円 - アイエムエス(東京都杉並区)
11,000円~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー - 東京打楽器レンタルサービス(神奈川県川崎市)
15,400円~ - QUARTO(愛知県)
7,500円~ - GenePlus(滋賀県)
7,000円~ - アマービレ楽器(大阪府)
25,000円 - レンタマックス(福岡県)
20,000円~

!最新の情報やレンタルの単位、送料・運搬料は、各HPで確認してください!
ティンパニのリース
レンタルだけでなくリースによる長期利用も選択肢の一つです。
特に学校や自治体、法人団体では、購入よりもリースを選ぶことで初期費用を抑えつつ、質の高い楽器を導入できます。

法人格を有する団体向けで、個人や部活動名義では契約できません
項目 | リース | レンタル |
---|---|---|
契約期間 | 数年単位(例:3〜5年) | 短期(1日〜数週間) |
目的 | 長期的な使用、資産化 | 一時的な使用(練習、演奏会、録音など) |
費用 | 月額固定 | 日額または期間ごとの料金 |
所有権 | 期間終了後に譲渡の場合あり | 所有権は常にレンタル会社 |
- リース期間:3~6年
- 月額:33,400~61,400円(税別)
- リース期間終了後に所有権の移転も可能
- 万が一の事故や損害にも対応(動産総合保険)
- 法人格を有する団体(学校法人、自治体、社会福祉法人など)が対象、
個人や部活動名義では契約不可
まとめ
アマチュアオーケストラでティンパニをレンタルすることは、保管やメンテナンスの手間を省き、演奏会ごとに最適な楽器を選べるというメリットがあります。
一方で、レンタル費用や日程の調整、レンタルの空き状況などによって、希望通りの練習が難しいことも考えられます。