オーケストラやソロ曲でよく出てくる「フラジオレット(ハーモニクス)」。
普通の奏法では出せない、透き通った高音が印象的ですよね。
でもプレーヤー目線では、「難しい奏法の定番」ではないでしょうか?
この記事では、フラジオレットの仕組みや種類、楽譜の表記方法などを解説します。

演奏方法やきれいな音を出すコツは、別記事でアップ予定!
🎻 フラジオレットとは?
フラジオはどんな音?いつ使う?
「フラジオレット(フラジョレットとも)」日本では「フラジオ」と略して呼ばれることがほとんどです。
フラジオは、透き通った、よく通る笛のような音が特徴で、普通に弦を押さえて弾く音よりも軽やかで、どこか神秘的な印象があります。
オーケストラでは幻想的な雰囲気を演出したい場面で、ソロ曲では華やかな超高音や技巧を表現するためによく使われます。
また、低い音のポジションで高い音を出すことができるため、指の移動を効率化するときに使うこともあります。
フラジオとハーモニクスの違いは?
「フラジオ」と「ハーモニクス」は、基本的に同じ意味で使われ、どちらも「倍音(ばいおん)」を利用して透き通った高い音を出す特殊奏法を指します。

「スパークル」なフラジオの音は、違いがはっきりとわかるね!
倍音とは?
私たちは普段「ラ」の音を聴いているつもりでも、実はその裏では何種類もの音が一緒に鳴っています。
これらの音を「倍音」と呼びます。
フラジオは、その中の倍音だけを取り出して鳴らす奏法です。
A線の開放弦を弾いたとき、ほとんどの人の耳には基音の「ラ(たとえば440Hz)」しか聴こえませんが、440Hzの2倍の音880Hz(1オクターブ上のラ)や3倍の1320Hz(ミ)も同時に鳴っています。

楽器の生演奏が豊かに聴こえるのは、倍音が鳴っているからなんだね♪
実音との違いは?
音色の他にも弦の振動にも違いがあります。
通常の弾き方だと、押さえた指と駒の間の弦が振動しますが、フラジオだと押さえた指とペグボックスの間の弦も同時に振動しています。
🎻 フラジオレットの種類(自然フラジオと人工フラジオ)
フラジオレットには2種類ある
開放弦を使ったフラジオを「自然フラジオ」といい、開放弦以外のフラジオを「人工フラジオ」と呼び分けます。
自然フラジオレット
弦の倍音のポイントに軽く触れて出します。
開放弦を利用するため、音程が安定しやすく、初心者でも比較的成功しやすいフラジオです。
- 初めてのフラジオ練習に◎
- (楽器にもよるが)音量が出やすい
- 音色の透明感が高い
- 出せる音の種類は限られる
- 弦の1/2~1/4を軽く触れる形が多い
比較的音が出しやすく、初心者でも挑戦しやすいフラジオです。

チューニングのときにぜひ練習してみて♪
人工フラジオレット
人差し指などで弦を押さえながら、別の指で倍音のポイントに軽く触れて出します。
自然フラジオより難易度は高いものの、自由な音程で演奏できるため、ソロ曲ではこちらがよく使われます。
- 自然フラジオよりも難易度が高い(倍音のポイントをとらえる技術が必要)
- 音程のバリエーションが多い
- 完全4度の形が多い(1と4の指を使う)
🎻 フラジオレットの書き方、表記方法
自然フラジオの書き方 ➢ 〇(白丸)
音符の上(五線譜外)に白丸で書かれる。
開放弦の「0」と見間違わないように!
人工フラジオの書き方 ➢ ◇(菱形音符)
五線譜の中にひし形で書かれる。
楽譜上では強く押さえる音を普通の音符で、そっと触れる音を◇で書きます。

実際に出る音は書かないことが多いから注意!
🎻 フラジオが使われている曲
フラジオは、ソロ曲では華やかな超高音や高度な技巧を、オーケストラでは幻想的な響きや空気感を演出する場面で使われることが多いです。
ソロ曲、協奏曲(ヴァイオリン)
- シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
4:49~ ソリストパートに人工フラジオを含む高難度パッセージ♪


口笛みたいな音色だね~♪
- パガニーニ:「うつろな心」の主題による変奏曲(プリホダ、ヴィルヘルミ)
06:26~ バリエーション 3
09:17~ バリエーション 5
10:39~ バリエーション 6など、「これでもか!」という超絶技巧が披露されます♪

オーケストラ曲
- サラサーテ:カルメン幻想曲
2:07~ フラジオからのアルコが、人の口笛と歌声に聴こえる♪

- マーラー:交響曲第1番ニ長調
冒頭~ 弦楽器がAのフラジオを演奏し、幻想的な背景を作り出している♪

🎻 まとめ
フラジオレット(フラジオ)は、倍音だけを響かせる奏法です。
自然フラジオは「〇」で、人工フラジオは「◇」で表記されることが一般的で、ソロ曲では華やかな超高音や高度な技巧を、オーケストラでは幻想的な響きや空気感を演出する場面で活躍する、とても魅力的な奏法です♪

ホールで生演奏を聴くと、よく聴こえるよ♪


